京都府チームと千葉県チームで優勝したことがある。
区間賞経験もあるが,区間賞の喜びとは違う。
チーム優勝は,みんなで喜びをわかちあえ,楽しい。
京都府チーム優勝時の監督は,
野口みずき選手を育てた藤田信之監督。
千葉県チーム優勝時の監督は,現役時代の恩師である,
有森裕子選手,我らがアドバイザー鈴木博美選手や
高橋尚子選手を育てた小出義雄監督。
どちらも,独特の戦略があった。
京都チームは開催地ゆえ,優勝という二文字からは
逃げられない。
藤田監督は,勝利というものを選手に明確に指示,
一つにまとめた。総合力で勝負。
高校生であった私でさえ,のびのび走るというより,
張りつめた緊張の中,送り出される。
使命といった言葉がイメージに近い。
一方、千葉県チームは小出監督。正反対のイメージ。
「1区とアンカーは,どっちが走っても勝てるべ。
鈴木(博美)と志水,どっちでもいいべ。
ジャンケンで決めろ。」
えーーーーーーーっ。てな具合。
結局,ジャンケンではなく,鈴木先輩と相談して決めたが。
適当?というか,のーびのび。
レース当日も,優勝祈願を兼ね神社へ向かう朝練習中,
小出監督が鳥の糞をかけられる。
オーノー,よりによって...
鳥くん,あなたは,なぜ,そこを選ぶ?
案の定...
「まいっちったなぁ。糞かけられちったよー。
みてみろ?う◯ちだよ。運がついちったよー。
縁起がいいなぁ。ほら?優勝できるぞ。がはは...。」
騒いでる。あー,あー,はじまったぁ。
中学生,高校生は,笑ってる。
毎度の調子に呆れる私達。
うるさいなぁ...とフェードアウト。
緊張感ゼロ。
こんな感じだが,監督の戦略は,もちろんきちんとある。
後輩であるバルセロナオリンピック10000m代表の
五十嵐美紀選手の区間は決定していた。
その戦略に対して,鈴木先輩と私の役目も
はっきりしている。
優勝のため,私達は区間賞狙いではなく,
自分の任務を果たすのみ。
やっぱり,こう思うと監督とは,なんだかんだと
言いながら,目標は一致してたんだよなぁ。
正直,優勝した時は,こんな適当?な感じで,
本当に勝てちゃったりするんだなぁと
思ったものだが...。