「おみゃあは,ほんまに,どんくしゃー子だ!」
(注:網野弁 訳:おまえは,本当に,どんくさい子だ。)
ちいさい頃から父に言われ続けている。
小学生の頃,毎日飽きもせず海へ向かう夏休み。海までは,歩いていける距離。
バスタオルをマントのようにして遊びながら,近所の友達を待つ。ご機嫌。
バスタオルを翻しているうち...チクっ。タオルの中に何かが...。
蜂に刺されて出戻り。ぐすん。
冬。海風が隣町に雪を運ぶため,隣町の積雪に比べれば,少ないが積もる。
雪で狭くなった道幅。時々広くなる箇所に小走りに待機しながら,車を避けて下校。
広くなる箇所が遠いと,どうしても轍脇の雪に足を入れ,車を避けなければならない。
そんな状況で,車が近づいてくる。覚悟を決め,避ける...どーーーっ。視界が真っ白。
溝に,すっぽり。運転手の視界から,一瞬で小学生が消える...驚かせたに違いない。
這い上がり,とぼとぼ下校。ぐすん。
未だ,『どんくしゃー』歴更新中。たくさんありすぎて,ここでは省略。
子どもの頃の土台が大きい分,かなり積み上げられそう。
私より先に「どんくしゃーもんだ!」(訳:どんくさい者だ。)
と呼ばれ続けている母。どんくしゃー歴,長し。ベテラン。
どんな,どんくさいことをしてしまっても,
「ま,ま...,まぁやぁ,いらんわー。私のしそうげなことだわー...見てぇ,私らしいわぁ。」
(訳:あーっ,まぁ,嫌だわ。ほら,私のしそうなこと!見て!!私らしいでしょっ。
...ってとこかな。網野弁って難しいなぁ。)
どんくさい出来事を披露する上,自分らしさに変えてしまう母。尊敬。
人生前向き。